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2006年12月21日 (木)

★☆生存のためのコミュニケーション☆★

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 動物はその生存のために、情報交換――即ちコミュニケーションの手段を持っています。例えば、科学的な物質(色々な動物にみられる体臭の変化、特に発情期など)、体動とか運動(蜜蜂・魚・鳥のダンス)そして音声(鳥獣のなき声)などです。

 こういった情報交換の手段に用いられるシンボルを、言語科学・行動科学では、言語と定義しています。人間が最もよく使用する言語であり、人間にとって最もよく発達している言語は、いわゆる「ことば」であり、それに対応する文字です。

 「ことば」、「はなしことば」を利用している点が、ある意味で人類の特徴といえます。広く自然をみると、人間の使用する言葉は、その数が莫大で、これほど沢山の情報をやりとりをできる動物はありません。それは、人類の進化と共に始まり、文化の発展と共に数を増やして現在に至っています。

 重要なことは、常に新しい「ことば」をつくっていることです。

 人間は、この天文学的な数に近い言語を駆使して、頭脳の中に形付けられる世界を、具体化させたり、客観化させたり、さらに抽象化させたりして、言葉に対応させ、文章として外に表現しているのです。

 言葉を組み合わせて一つの文章にまとめる構文のシステムは極めて複雑ですが、しかしながら我々は母国語として自然に学び取るものなのです。話し始める前に文法を学ぶ子どもはいません。

 言葉を学んでいく過程は当然のことながら出生後に始まり、母親と赤ちゃんとの会話で始まるのです。その場合、母親の繰り返す言葉が重要であることはいうまでもありません。

 しかし、自然を広く見渡すと、コミュニケーションの手段は先に述べたように音声だけでは無いのです。母親の体動、即ち身振りも重要です。もちろん、そんなことは教わらなくても自然にやっていることですが。人間は会話をしている時に、大小の体動も加えてコミュニケーションの目的を果たしていることを忘れてはならないのです。

<出典元URL>

http://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOBY/MIRAI/cbs0119.html

*「コミュニケーションは、こうして-1」(『新・こどもは未来である』・小林登)

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2006年12月14日 (木)

★☆言葉の発達を支配する脳☆★

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 目が見えない、耳が聞こえない子どもでもコミュニケーションする手段は持っているのでしょうか。

 子どもの言葉は、他のコミュニケーションの手段と関係して発達します。笑うという表情はコミュニケーションの手段として大切ですが、目の見えない子どもでも3カ月頃になれば笑い、6カ月頃には喃語(なんご)を言う、言語発達の初期のステップを経過する事実は言語発達の本質に多くの示唆を与えます。

 一方、耳の聞こえない子どもでも、体動やサインによるコミュニケーションの方法は十分に発達させ、要求や色々な考え、意見など複雑な心理現象を伝達することが出来るのです。しかしながら言葉はなかなか発達しません。

 これらの事実は、人間の遺伝子機構にはコミュニケーションの機能が組み込まれていて、それが体動や表情ばかりでなく、それに言語というシンボルも組み合わされてコミュニケーションに利用されることを示しているのではないでしょうか。

 コミュニケーションの機能の一つである言語機能の本質が、遺伝的な神経機能であるとすれば、その言語を支配する中枢的な部分、言語中枢は、どこに局在するかが問題となります。普通、言語中枢は大脳の左半球に存在すると言われています。左側の脳出血によって失語症が起こるのはこのためです。

 また言語発達をみると、女の子の方が男の子より早いことが知られています。

 この2つの事実は、言語発達が遺伝的要因で決まるか、環境的要因で決まるかという命題とどのように関係するのでしょうか。

 多くの実験並びに臨床の症例から、左半球が右半球より言語発達に強い影響を与えていることは知られていますが、大脳の側頭葉の皮質の一部に、長くしかも厚くなっている部分が見られることも明らかになっているのです。

 さらに調べてみると、左側で長く厚い部分が見られたのです。しかも、この部分は新生児の脳においても存在し、女の子の方が男の子よりも著明であることが明らかになっているのです。

 言語発達における左半球優位と女性優位が合致した点や、言語発達に関係する機序の局在は大脳左半球のどこにあるのかは不明としても、それに関係する機序が、皮質の一部に関係する可能性が示されたことは、言語学者達にとっても大変関心が高いことなのです。

<出典元URL>

http://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOBY/MIRAI/cbs0118.html

*「言葉は引っぱり出される-2」(『新・こどもは未来である』・小林登)

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2006年12月 7日 (木)

★☆教えなくても子どもはしゃべり始める☆★

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 言葉が正常に駆使されるようになる、言語機能が発達するには、言語を理解し、表現に必要な言語を選び、文章を構成する能力が発達しなければなりません。

 この言葉の発達を支配する因子は、遺伝因子が中心か、環境因子が中心かという命題は、現在の言語科学における最大の問題です。

 ここでいう、遺伝因子が中心という立場は、遺伝因子が言語発達で中心的な役割を果たす、人間の言語能力は人類進化の過程で獲得してきたものであり、生得的なものです。

 一方、環境因子が中心という立場は、環境因子は脳の中にしまってある言語の能力を次々に外に引き出すだけの役を果たしているに過ぎないとするものです。

 言葉を話す能力は、読み書きのように「教えられる」ような技術ではなく、「立っち」「あんよ」のように、発達するにつれて、到達しうる能力であると考えられるのです。

 それでは、何ゆえに子どもには、18カ月から28カ月にもなると自然に話し始めるのでしょうか。その時期に母親が特に言葉訓練を始めているわけではなし、また意識的にも、何ら系統的にも教育しているわけではないのです。しかし、言葉は自然に、比較的一定した年齢にきまった順序で発達してくるものなのです。

 確かに、「パパ」さらに「バイバイ」としかいえなかった子どもは、いつの間にかこの2つの言葉を繋げて2語文をつくる能力は、中枢的な大脳の機能であって、決して運動機能ではありません。

 また、喃語しかしゃべらない子どもでも、色々なアクセントを付けてしゃべることはでき、喉頭・舌・口唇の微妙な動きは、手の運動機能を獲得する前に、自然に出来るようになるものなのです。

<出典元URL>

http://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOBY/MIRAI/cbs0117.html

*「言葉は引っぱり出される-1」(『新・こどもは未来である』・小林登)

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