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2006年7月13日 (木)

★☆言葉は、引っぱり出される☆★

「kodomo021_02.mp3」をダウンロード

 生後5カ月頃になると、お母さんの語りかけに反応して、赤ちゃんは喃語をくり返すばかりでなく、自ら声を出して、それを聞いてまた喃語を出すようになります。自学自習の始まりです。

 生後半年も過ぎると、他人の話し声に注意を払うようになり、それを真似するようになります。いわゆる模倣期です。表情の模倣のプログラムと同じものが言葉にもあるのです。しかし本当に真似しているか否かが問題であって、むしろ遺伝的に予め作られた神経発声のメカニズムを脳の心のプログラムが組み合わさって、周りでしゃべっている言葉を貼り付けて、言葉を引っぱり出しているだけであるという考え方も無くはないようです。

 赤ちゃんも10カ月近くなると、色々な音声を繋ぎ合わせて、あたかもお話しているかのような独得な声を出すようになります。これは小鳥のさえずりみたいなもので、「ジアーゴン」と呼びます。1歳のお誕生日近くになると、第一発語「ママ」「パパ」「マンマ」など唇を使う言葉を言うようになり、名詞・感嘆詞であることが多いのです。やがて感情の発達とともに言葉が発達してくるのです。

 1歳以後になると、赤ちゃんは次々と新しい言葉を習得し始めます。そして、3歳にもなると800語位の言葉をマスターしてしまいます。この言葉の数の増加とともに、同時に言葉を組み合わせて文章を学んでいくのです。2歳で約3語続けた文章を、3歳では約4語、5歳で約5語を繋げて文章を作れるようになるのです。

 しかしながら、言葉の発達の機序には不明の点が多いのです。また現在の言語発達の理論には2つの立場があります。

 第1の言語発達のメカニズムは、母親なりの周囲の人々から教えられて真似して発達するという立場です。

 第2の言語発達のメカニズムは、赤ちゃんの頭脳の中に、進化の過程で獲得した遺伝子によって支配される言葉のプログラムが、予め組み込まれていて、外からの刺激によって、リリーズされる。即ち、外でしゃべっている言葉を貼り付けて引っぱり出されるという立場です。最近、その遺伝子も見つかったようです。

 確かに赤ちゃんはしゃべり始めますと、言葉はステップをあがるようにどんどんと発達してくるものなのです。

 しかしいったい言葉とは何でしょうか。ある概念を他の人に伝達する際に、現実の物の代わりに用いる記号(シンボル)であると言えます。それには、言葉の他に文字もあるし、目の見えない人の用いる手話や、耳の聞こえない人の用いる点字も当然のことながら含まれます。ジェスチャー、絵なども特殊なものとして、コミュニケーションのシンボルなのです。

 赤ちゃんの言葉は人間としての高度の文明にとってなくてはならない象徴機能の発現であって、象徴機能の発達とともに、言語は発達していくものなのです。

<出典元URL>

http://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOBY/MIRAI/cbs0116.html

*「言葉も育つ-2」(『新・こどもは未来である』・小林登)

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2006年7月 6日 (木)

★☆言葉の出発点☆★

「kodomo020_02.mp3」をダウンロード

 話し言葉とは、人間と人間がお互いに自分が頭の中で考えていることを音声で表現してコミュニケーションする手段と考えられます。子どもはそれを自然に学びます。

 赤ちゃんはこの世に生まれ出ると、「オギャー」と、うぶ声をあげます。これは出生とともに刺激によって反射的に起った呼吸運動によるもので、言葉とはいえないかも知れません。しかし、うぶ声は呼吸による空気の動きと、声帯の筋肉の緊張度によって作られるものなので、そのメカニズムからみると声の原型であって、言葉の発達に繋がります。その上、うぶ声を泣き止めない赤ちゃんは、だっこしたりしてなだめると、泣き止みます。ですから、赤ちゃんは、お産に驚き、母子分離で泣いているのです。従って、頭の中で感じているものを表現しているのですから、やはり言葉に繋がっています。

 このうぶ声と同じような泣き声も、生後1カ月にもなると意味がはっきりと出てきます。すなわち泣き声は空腹や痛み、そして苦痛を訴えているのです。同時に赤ちゃんは泣き声に対する周囲の人の反応から、その泣き声の出し方を学ぶようになります。それは人間の持つ高度精神機能の一つ、即ち心という全く形の無いものを表わす象徴機能(注1)の芽ばえにも関係するのです。

 生後2カ月になると赤ちゃんは泣き声とは別に、色々な声を出します。たとえば、「ア、ア」「オ、オ」「クンウン、クンウン」。日本人の赤ちゃんでも、日本語に無いような発音もみられるのです。これがいわゆる喃語です。人類進化の過程で獲得した、人類の共通語なのでしょうか。

 この喃語は、おっぱいを飲んでお腹がいっぱいの時、入浴後のご機嫌の良い時、壁の模様を見る等している時、独り言のように話します。楽しい時、嬉しい時に出すので、プレジャーサインと呼びます。またお母さんの語りかけも独特のピッチやリズム、そして抑揚があるのでマザーリース(母親語)と呼びます。マザーリースとプレジャーサインは次第にやりとりするようになって、赤ちゃんの喃語は発達します。そして、赤ちゃんの喃語はその心によって色々な違いを強くも出すようになるのです。

<出典元URL>

http://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOBY/MIRAI/cbs0115.html

*「言葉も育つ-1」(『新・こどもは未来である』・小林登)

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