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2006年5月25日 (木)

★☆父と子の絆、父子相互作用☆★

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 その昔、母乳が無いために、生きていけない赤ちゃんを見て、なんとかしようと考えた小児科医は、栄養学者、酪農学者などと協力して、牛のたんぱく質であること、免疫成分がほとんど無いことなどを除いては、ほぼ満点に近いミルクを、約100年程かけて作り上げることに成功したのです。

 これによって、多くの赤ちゃんの命が救われるとともに、男性でも、極言すればロボットだって、赤ちゃんを育てることができるようになったのです。

 さて、最近になって、母と子の絆のように、父と子の絆も同じである、父子相互作用もあるという考えがでてきました。

 すなわち、なるべく早い時期からわが子にふれあわせれば、父親も相互作用によって、父性愛がめざめ、子育てにのめり込むようになるというのです。

 母親の母子相互作用は妊娠中から始まり、40週も続くのです。胎動を感じて、わが子への愛情が芽生えるのはその代表でしょう。そして、分娩直後から、わが子を抱き、母乳をのませ、色々と子育てをすることで、母子相互作用は早期から長期にわたって続くので、母性愛の確立も早く強くなるのです。

 ところが、父親も母親と同じように、父子相互作用を胎児期から始めれば、父親も充分に母親的になれるのです。

 例えば、赤ちゃんが生まれる前からの育児相談に立ち合うとか、超音波モニターで胎児のわが子を見るとか、おなかのなかのわが子に語りかけるとか、胎動を感じるとか、分娩に立ち合うとか、分娩直後のわが子を抱くとか、積極的に育児に参加するとか。

 このようにして父子相互作用を出来る限り早くから始めるのです。そうすれば、父親もかぎりなく母親的になると言うのです。

 しかし、このようにすれば、父親は完全に母親的になるものでしょうか。・・・性染色体のバリヤーを越えるほど、父子相互作用が強いとは言えないのではないかと思っています。まだまだ、データ不足のように思えるのです。

 また、相互作用によってできる母と子の絆と父と子の絆とは、全く同じ質のものでしょうか。父子相互作用で父と子の絆ができて、父親が子育てに夢中になることを「エングロスメント」と呼びます。「のめり込み」という意味です。私は、これに対して、母親が子育てに夢中になることを、「アブソープション」「すい込まれ」と呼びたいと思うのです。

 男女の心の違い、恋愛感情での違いと同じように、私なりにそれをあらわしたいと思うからです。

 しかし、それにしても、遺伝子、とくに性染色体のなかにある遺伝子によって規定される違いが、社会・文化、とくに行動をふくめての環境因子によって、性差のバリヤーを越えることができるかも知れない、あるいは相当程度できるということは、極めて重要なことです。

 父親にも、母親と同じように、子育てのプログラムがあることは確かに否定できません。哺乳動物の40%の種で、雄が子育てすることが報告されています。

 ラットの雄に、生まれたばかりの仔ラットを側におくと、始めはかみついたり、けとばしたりしますが、次々と生まれたばかりの仔ラットを身近におくと、この雄ラットは子育てを始めるという実験報告もあります。

 ですから、人間の男性も子育てのプログラムを持っているに違いありません。しかし、女性よりもそのプログラムにスイッチを入れにくいのかも知れませんが。

<出典元URL>

http://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOBY/KOSODATE/cbs0039.html

*「父親の役割――まず父子相互作用で子育てにのめり込ませよう-1」

http://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOBY/KOSODATE/cbs0040.html

*「父親の役割――まず父子相互作用で子育てにのめり込ませよう-2」

(『育つ育てるふれあいの子育て 』・小林登)

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2006年5月18日 (木)

★☆胎児は羊水の味がわかる☆★

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 さて、妊娠も半ばを過ぎ、24週、つまり6カ月頃になると、身長は25センチ程にも伸び、体重も約250グラム位までに成長します。この頃になると、おなかの赤ちゃんはいろいろな行動をおこすのです。

 そのひとつが羊水を飲み始めることです。これは生まれてから母乳を飲む運動のもとになるのです。
 昔アメリカで、羊水を通常より甘くする実験が行なわれたそうです。すると、驚いたことに、胎児は激しい勢いで、その甘くなった羊水を飲み始めたのです。つまり胎児は甘い味が分かるし、好きなようなのです。考えてみれば、糖はエネルギー源で、甘みが好きでなかったらエネルギーをとることが出来ないことになります。

 また、レントゲン検査のため、苦い油液を少量ですが羊水中に加えたら、羊水を飲み込む回数が非常にゆっくりになった、ある胎児は顔をゆがめて、あらわに嫌悪の情を示したという報告もあります。

 さて、なぜ胎児は羊水を飲むのでしょうか。羊水の中にある化学物質やサッカリンなどの甘味の強い物質で、プログラムにスイッチが入りさえすれば反射的に飲む行動をとるのです。

 胎児は、飲むことによって口輪筋などのくちびるの筋肉やあごを鍛えて、きたるべき母乳を飲む時に備えての練習かもしれません。また、これは栄養摂取のプログラムが存在していることを示しています。

 さらに最近の超音波による観察では、羊水を飲む行動ばかりか、母親の胎盤のでっぱったところを、あたかも乳首をすうようにチューチューすっていることもわかりました。

 胎児はこのように子宮の外に出た時に備えて、あらゆる予行演習をしていると考えてもいいでしょう。たとえば歩く練習なら、羊水中そして生後すぐの原始歩行(ステッピング反射)という現象にはっきりあらわれていますし、肺で呼吸をする練習は、胎児の繰り返す胸郭運動の動きとして観察できます。

 ただ、上述のいろいろな運動や行動はいずれも反射的、自動的で、大脳皮質のコントロールのほとんどないもので、成長・発達した我々の運動とは異なり、その基本になるものと考えるべきものです。

<出典元URL>http://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOBY/KOSODATE/cbs0006.html

*「胎児はなんでも知っている-2」(『育つ育てるふれあいの子育て 』・小林登)

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2006年5月11日 (木)

★☆妊娠期間の半ばで五感は備わっている☆★

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 目。外からの視覚情報を集める目の原型は、妊娠4週間以前につくられ、16週程になると脳から視神経が発達し、レンズなどができ、目の基本構造が完成します。16週といえば身長15センチ、体重100グラム位の大きさです。

 耳。最初に耳らしい穴ができるのは5~6週目です。できあがった耳は、その奥の方から内耳、中耳、外耳の三つに分かれていますが、最も早く原形ができあがるのは中耳で、ほぼ12週目です。
 内耳は別のところからできますが、内耳と中耳が連絡するのが16週目頃です。外耳が一番遅く21週を過ぎてからです

 内耳と外耳の基本的な形態は、29週から31週にかけてほぼ完成します。つまりその頃には、音を感じとれる聴神経が内耳と大脳とをつなげているわけです。

 20週というのは妊娠期間のちょうど半分です。
 その頃になると大脳を中枢とした神経系があらかた神経細胞のネットワークの骨組みを終え、大脳そのものもはっきりした原型を形づくるのです。


 つまり、視聴覚をはじめ触覚も、さらには味覚さえも感じとる基本的な仕組みが、その時期までにはできあがるということです。この事実をしっかり頭に入れておいてもらいたいものです。

 胎児が妊娠後半になれば、音をきき、光を感じ、味を知り、触れられるとすぐに反応する理由も、こうした背景を知ることによって、よくわかってもらえるのではないでしょうか。
<出典元URL>http://www.crn.or.jp/LIBRARY/KOBY/KOSODATE/cbs0006.html。  
*「胎児はなんでも知っている-2」(『育つ育てるふれあいの子育て 』・小林登)

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